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ソクラテスは、西洋哲学の祖ともいえる古代ギリシャの大哲学者ですが、もうひとつ、あまりうれしくない肩書を持っています。
実は、オーストリアの大作曲家モーツァルト、ロシアの文学者トルストイとともに、ソクラテスは世界三大悪妻の夫として、とても有名なんですよ。
ソクラテスは、紀元前4世紀の古代ギリシャで神にも認められた知恵者でした。
たくさんの優秀な弟子をかかえ、だれよりも知恵のある賢者として街中の人々に尊敬される存在だったのですが、ソクラテスの妻クサンティッペは、稼ぎの少ない夫に朝から晩まで小言をいったり、怒鳴りつけて水をぶっかけたり、服をむしりとったり…。
これに対しソクラテスは、
「水車の回る音も聞きなれれば苦にならないものだよ」
「セミは幸せだ。なぜなら物を言わない妻がいるから」
などと減らず口…いや名言をつぶやいていたとか。
3人の子供と妻を持ちながらろくな稼ぎもなく、街をほっつき歩いては知らない人をつかまえて哲学問答をくりかえす夫なら、妻がうるさく怒るのもしかたありませんよね。
それでもクサンティッペは、ソクラテスが70歳で無実の罪に倒れるまでそいとげ、夫の死を前に取り乱して号泣したといいますから、評判はどうあれ、結構仲良くやっていたのではないでしょうか。
ソクラテスは弟子や友人に、
「とにかく結婚したまえ、良妻を得れば幸せになれるし、悪妻を得れば私のように哲学者になれる。そしてそれは誰にとってもいいことなのだ」
と結婚をすすめています。
夫婦は家族の幸せのために協力してさまざまな困難に立ち向かい、問題解決のためにより良い方法を選択するという行為をくりかえします。
そうすることで結果的に独身の時よりもより深く広い視野をもつことになるのです。
ソクラテスも、大いなる理想と現実とのはざまで悩み、結婚からたくさんの真理を得たからこそ、悪妻をもちながらも結婚をすすめたのでしょう。
チェコの小説家カフカもまた、
「結婚はしてもしなくても後悔するものである」
といい、デンマークの哲学者キルケゴールは、
「結婚したまえ、君は後悔するだろう。結婚しないでいたまえ、君は後悔するだろう」
といっています。
要するに、同じ後悔ならば経験しておけ、ということ。
良くも悪くも、結婚という経験を積んでおいたほうが人間的な深みが増すというもの。
たった一度きりの人生、何事もやりきって、後悔のないように生きたいものですね!
今週の恋愛格言をのこしたのは、古代ギリシャの哲学者ソクラテスです。
弟子にはプラトン、孫弟子にアリストテレスという、西洋哲学の基礎を築いた始祖ともいえる大哲学者です。
古代ギリシャ第一の都市であったアテナイ(現在のアテネ)の彫刻家の家に生まれ、青年時代には兵として戦争に参加しましたが、後に「自分は何も知らない」とする「無知の知」ベースに、人々に疑問を投げかけ、対話によって真理にせまる問答法を確立しました。
しかし、有名な詩人や工人、政治家などを相手に問答をくりかえし、時にはやりこめてしまったために多くの権力者から怒りを買うことになります。
そして紀元前399年、「若者を堕落させた罪」などの罪状で死刑を命じられ、みずからドクニンジンの杯をあおって刑死してしまいました。
ソクラテスの死後、アテナイの民衆は、あまりにも偉大な人物を殺してしまったと心から後悔したとか。
このほかにもソクラテスはたくさんの心に響く格言を残しています。
「よりよく生きる道を探し続けることが、最高の人生を生きることだ」