たとえば、あなたが女性を食事に誘ったとする。 運が良ければ、もしくは彼女があなたに好意を持っていれば、あなたの誘いに応じてくれるだろう。もし、仮に誘いに応じる気がなくても、思いやりのある女性なら都合が悪い等の理由であなたを傷つけないように断ってくれるはずだ。いわゆる「社交辞令」というやつだ。だが、この社交辞令というのは、恋愛においては甚だ厄介な存在。それは、女性の本音が見えないから。下手すると、しつこく誘って「空気読んでよ!」みたいな展開になりかねない。今回登場する永田さん(仮名・28歳)も、そんな女性の本音と社交辞令の見極めに悩んでいる。とはいえ、自分に好意を持っているかどうかなんて、何となくわかるような気もするんだけど……。
「そうですかねえ?僕には全然わからないですよ。自分に好意があるかどうかなんて、どうやって見分ければいいのやら……。もう女性と話すのが怖くなりましたよ~」
そこまでトラウマになってるんだ。
「以前にも、好きな女の子がいたんで食事に誘ったら、毎回毎回『都合が悪い』だの『忙しい』だのって断られたんですけど、遠まわしに断られているのに気づかずにしつこく誘って、すごいヒンシュクを買ったことがありますからね。ちゃんと断ってもらわないと、僕なんて単純だから、本当に都合が悪いから断られているんだと思って、いつまででも誘いますよ」
それでKY(空気読めない)なんて言われちゃうんだ。
でも、そんなに毎回断られたら、さすがに気づくでしょう?
「それはそうなんですけど、ハッキリ断られない限り、まだ脈はあると思いたいじゃないですか。まあ、希望的な観測もありますけど。でも、ちゃんと『あなたのことは好きじゃない』とハッキリ言われていないのに、あきらめるのは嫌じゃないですか」
でも、「あなたには関心がないから行きたくない」なんて断られたら、逆に嫌じゃないかな?
「それはそうなんですけど……」
でしょう?そういう角が立たないための社交辞令なんだよ。
「でも、女性の本音が見えないというのは嫌ですね」
だから、理由は何であれ何度も断っているのが、女性の「本音」だと思うよ。
「いや、でも本当に忙しくて断っている場合だってあるじゃないですか」
まあ、確かにそういう場合もあるけど……。
「そういや、この前もその社交辞令とやらで酷い目に遭いましたよ~。単にひとりで入りづらいレストランだったんで、同僚の女性を誘って食事に行こうとしたんですよ。そしたら、「都合が悪い」ということで断られたんですけど、ま、別に何とも思っていない女性だったので、それはそれで問題はなかったんです。ただ、彼女が僕と共通の友人に『あの人にデートに誘われて困ったわ』なんてこぼしていたんですよ。こっちは恋愛感情なんて全然ないのに、社交辞令で断られた上、そんなことを言われるなんてショックでしたよ~」
確かに、その女性は社交辞令で断っているんだから、周囲にそういう「本音」を漏らしてほしくないね。社交辞令で吐いた嘘を貫徹するべきだろうね。でも、女性も男性がどういう意図で誘っているかどうかわからないんだから、とりあえず関心のない男性だったら、社交辞令的な嘘を吐いて断るしかないという事情もあるよ。
「でも、そんなの僕が恋愛感情を持って誘っているのか、そうでないのかなんてわかると思いますけどねえ」
それそれ、女性だって同じことを思っているんじゃないかな?「何度も断っているんだから、好意がないって気づいてよ」って思っているのかも。
「あ、そっか。結局、男も女も真意を測りかねて、無難な対応をしているわけですねえ。でも、社交辞令の応酬じゃ、恋愛に発展しないわけだから、同じ断りの言葉でも好意の有無ってあるわけじゃないですか」
そうだね。そういう相手の意図を察する能力が人間力の高さということになるんだろうけど、
きっと同じ断りの言葉でも好意がある場合は、何かしかのサインが出ているんだろうね。
そこをどうやって見抜くか?次回はそうした女性の本音を見抜くコツについて述べていきたい。
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