彩乃---友だち関係から恋愛関係になるっていうのは、すごく大変。K一もその越え難い「友だちの壁」に悩むひとりなんだけど、攻略法としては今までの単なる友だちのイメージを、くつがえすようなアピールだと思うんだよね。もちろん、イメージが悪くなっちゃうようじゃダメなんだけど。そして、女性にとって男性の友だちが、恋愛対象に変わる瞬間というのは……。
K一---そうそう、それが知りたいです!
さくら---私、シチュエーションが、とっても大事だと思うんです。
K一---というと?
さくら---友だち関係というのは、ある意味「日常」じゃないですか。そういう日常の中で、いつもと違う自分のイメージって、出しにくいと思うんですよ。だからまず、いつもと違う「非日常性」みたいなものを演出する必要があると思います。
彩乃---くさいぐらいロマンティックな雰囲気の場所で、2人きりになってみるとか、いつもの自分と違った一面を引き出すのに、そういうのは確かに有効かもね。
真央---わたしはそういうの、ちょっと苦手。
K一---俺もちょっと、そこまでキザにふるまう自信がないです。
彩乃---2人ともわかってないな~。友だち関係から恋人関係に発展するには、ふつうのフラットな関係よりも、2倍エネルギーが必要って再三言ってるでしょ。
さくら---それに、ふつうのフラットな関係だと、ちょっとした言動なんかで、 相手の好意みたいなものが感じることができると思いますけど、友だち関係だと、そういう微妙な感じのサインって読み取りにくいし、出しにくいですもん。
彩乃---ほら、長年連れ添った夫婦が男女関係をあまり意識しなくなって、友だちとか家族っていう関係になるケースって多いって言うでしょ。そういう関係だと微妙なサインじゃなくて、ハッキリと意思表示しないと、伝わりにくいことってあるんじゃないかな。友だち関係からの恋愛もそれと一緒で、やっぱり必要以上のエネルギーや意志表示の力が求められちゃうんだよ。
K一---そう考えると、友だちから恋人に発展するのって、俺が思っている以上に大変なんですね~。
さくら---そのとおりだと思いますよ。
真央---それに、友だちとの恋愛ってリスクも高いですよね。
K一---そうなの?
真央---だって、ふつうの関係だと告白して断られても、そのままフェードアウトすればいいけど、友だち関係の場合は断られても、友だち関係はずっと続くんだよ!それって、すごく気まずいよ。
K一---そうだった。断られた時のことを全然想定してなかったよ。
彩乃---K一、そんなことも考えてなかったの?エネルギーが必要ということは、そういうことも含んでいるんだよ。もし、告白して断られても友だちでいる以上、どんなに気まずくても、顔を合わせなきゃいけない局面だってあるし、それがグループみたいな、友だち付き合いをしていたらなおさらだよ。
さくら---その女友だちとだけではなく、他の友だちたちも含めた人間関係に影響しますよね。そうそう、グループで遊びに行く時でも、彼女が来るなら自分は行けない、みたいな。まわりも気を遣って2人が会わないようにするとか、けっこう面倒臭いことになっちゃいそうだよねー。
真央---K一さんにそういう覚悟があるのかな~?
K一---正直、そんな覚悟、全然できていないよ。アプローチのことばっかり考えていて、断られた時のことは全然想定してなくて……。
彩乃---告白するのはちょっと考え直した方がいいんじゃないかなあ?いずれにせよ、友だちから恋人へ踏み込むには、やっぱり、お互いの気持ちを変化させるためのキッカケが必要。偶然に恵まれて、そういうキッカケがあればいいけれど、実際はなかなかそうはうまくいかないもの。とにかく 自分で発展させるキッカケを作るしかないってことよね。