17世紀のフランスで思想家として活躍したラ・ブリュイエールは、大貴族であったコンデ大公周辺の貴族と交流を持ち、また庶民の暮らしも見つめながら、政治・宗教・生活様式・友情・恋愛・人情・ファッションに至るまで、あらゆる生活文化について評論し、『カラクテール 当世風俗史』にまとめました。
特に「女について」「心情について」の章では、恋愛について詳しく分析しています。
ブリュイエールによると、女性というものはとても扱いやすいものなんだそうですよ。ただし、それは男性がきちんと女性の気持ちに寄りそっていれば、の話。
女性が困っている時にはすすんで助けてやり、愚痴を聞き、美しく着飾っていれば褒め、常に心配りをして優しく接していれば、女性は男を大事にするものだ、とブリュイエールは力説しています。
「好みの男性のタイプは?」と聞かれると、大抵の女性は「優しい人」と答えますよね。女性は妊娠・出産・育児をするために、生物学的にも庇護を必要とする性です。そのため、男性よりも「守られたい」「気にかけてもらいたい」という欲求が強いといいますから、より大切にしてくれる人、構ってくれる人は愛情を感じやすいのは当然なのかもしれません。
また、ブリュイエールは、男はどんなに性格が悪く貧乏でも、ダサくてセンスが悪くても、スラリと背が高く美しい顔を持っていれば、女性は放っておかないものだとも述べています。
やっぱりモテないのは男性のほうに問題があるということになるでしょうか?
逆に考えると、美しい顔とスタイルの良さを持ち合わせていない男性でも、女性の気持ちに寄り添って細やかな気配りをすれば、愛をつかむことができるということ!
モテたい男性のみなさん、試す価値アリですよ!
今週の恋愛格言をのこしたのは、17世紀フランスを代表するモラリストで作家のジャン・ド・ラ・ブリュイエールです。
モラリストとは人間の慣習や風習、性格や生き方を見つめた思想家のことで、同時期には「人間は考える葦である」と評したブレーズ・パスカルやモンテーニュ、ラ・ロシュフコーなどがいます。
パリに生まれ、法学を学んで弁護士の資格を持っていましたが、法廷には立たずに時の権力者であったコンデ大公の孫の家庭教師をするなど、上流階級の人々と交流しながら思索を深めていきました。
1688年に古代ギリシャの哲学者テオフラストスが書いた『カラクテール』(英語でcharactersの意)を翻訳し、自らの思想を加え『カラクテール 当世風俗史』を執筆しています。
『人さまざま』、『性格論』とも訳されたこの作品には、当時の政治や人々の心情、町のの様子などが生き生きと表現され、多くの格言が生まれました。
「時間の使い方の最も下手なものが、まずその短さについて苦情をいう」
「どんな秘密がばれるのも、罪は、だれかを信用してそれを話した人にある」