この恋愛格言は、イギリスを代表する詩人ウィリアム・ワーズワースが1799年に書いた『A Poet's Epitaph』(詩人の碑銘)の中にある一節です。
本来恋愛をうたったものではないのですが、言葉の持つ強さと美しさからか恋愛格言として有名になり、2014年秋冬のTBSドラマ『ごめんね青春』(宮藤官九郎 脚本)でも紹介されています。
ワーズワースが旅先でみすぼらしい墓に出会い、亡くなった詩人に敬意を払うことなく通り過ぎてゆく人々に、その墓に眠る詩人の素晴らしさを心に留めておいて欲しい、という気持ちが情熱的な言葉と共につづられています。
原文は英語詩ですからいろいろな解釈の余地があり、「彼を知り、彼を愛してはじめて、彼が愛するに足りる人物であることがわかる」と訳されていることも。
ドラマではさらに「好きにならなきゃ、好きな理由はわからない」と解釈されていました。わかりやすいですね!さすがクドカンさんです。
恋愛関係になるとお互いの連絡先や住所、学校、家族関係といったありとあらゆるものを公開することになりますし、目をつぶって飛び込むには勇気がいりますよね。でも、心配事ばかりが先行していては、素敵な恋との出会いも逃してしまいます。
どんな素晴らしい人格や才能を持つ人でも、容姿や格好から悪い先入観を持ってしまっては、その人の良さを理解することはできません。
全然好みじゃないけどなんとなく気になるあの人。
理想のカレ・彼女とは程遠いのに、なぜか素敵に見えるあの人。
そんな人に出会ったら、変な先入観は捨ててまず好きになってみる。そうすれば、隠れた魅力を発見したり、思いもよらない出来事から好きになった理由が見つかったり、新しい恋の世界が広がっているかもしれませんよ!
今週の恋愛格言をのこしたのはイギリスの詩人・ウィリアム・ワーズワースです。イギリスの有名な景勝地である北西イングランドの湖水地方に生まれ、美しい自然に囲まれて育ちました。生涯を通じて自然を愛し、イギリスを代表するロマン派自然詩人として高い評価を得ています。
ケンブリッジ大学に学び、渡仏してフランス革命に身を投じる中で、恋愛や革命運動など多くを経験し、彼自身の独特の感性から多くの優れた詩をうたいあげました。
『抒情民謡集(Lyrical Ballads)』(サミュエル・テイラー・コールリッジとの共著)、『序曲(The Prelude)』、『ルーシー詩篇』などの詩集は、英国ロマン主義を代表する作品として愛され、1843年には王室から桂冠詩人の称号を与えられています。