何をするにも女性任せ、もちろん告白なんて絶対自分からしない、
恋愛に関する主導権は決して握らないという佐藤さん(28歳・仮名)。
そこにはもちろん彼なりの理由があるわけで、
それは「どんなに自分が望んでも、相手に受け入れられなければどうしようもない」というもの。
その気持ちはわからないでもないけど、ちょっと後ろ向きのような感じも……。
「後ろ向きじゃなくて、そこは現実的といってほしいですね」
まあ、後ろ向きでも現実的でも何でもいいけど。
じゃあ佐藤さんは、自分に好意を寄せてきた女性としか付き合わないわけ?
「そういうことになりますね」
でも、佐藤さんにも自分の好みってのがあるんじゃないの?
「そりゃ、もちろん好みはありますけど、
自分が好かれてなけりゃ意味がないわけですから、どうしようもないでしょ」
いや、そうはいっても……。
自分の好みじゃない女性と付き合ったって、うまくいかないんじゃないの?
「うまくいかないんじゃなくて、うまくいくよう努力すべきなんじゃないですか。
よっぽどモテる奴だったらともかく、自分のようにモテない男は
必ずしも自分が一番好きな女性と付き合っているわけじゃないでしょう」
それはそうなんだろうけど、自分のことを卑下しすぎだと思うよ。
「そうですかねえ。じゃあ、こんな風に言い換えましょうか。
自分が好きな女性と両想いなんていう確率、ほとんどなきに等しいと思うんですよね。
それこそ、万に一つでしょう」
うーん、確かに確率論的な話をすれば、そうなんだろうけど。
何か違うような気が……。
「だったら、自分のことを好いてくれる女性の中から、
自分の好みに近い人を選んだほうがいいじゃないですか。
それと同様に、他のことだって女性が望むようにしてあげれば、
2人の恋愛関係も問題ないと思っているんですよ。
自分から主導権を握らないのは、決して面倒くさいとか、そういうことじゃなくて
自分なりに考え抜いた処世術なんです」
とはいうものの、どうなんだろうか。
妙に筋が通っているから、なかなか反論しにくいけど、
やっぱり佐藤さんの問題点は女性の立場になって考えていないこと。
佐藤さんのことを異性として意識してなかった女性も、
佐藤さんに告白されることで好意を持つかもしれないし、
女性の望みを叶えるためにすべてを女性任せにするっていうけど、
女性だって佐藤さんが望むことをしてあげたいって考えたりもするはず。
主導権を握らないというのは、佐藤さんなりに考えたことだと思うけど、要は自己完結しちゃってるってこと。
それだと、恋愛関係もうまくいかないんじゃないかな。
どちらが主導権を握るかというのは、あくまでもバランスの問題だと思うよ。