女性との出会いはあるものの、そこから恋愛関係にどう発展させていけばいいのかがわからないのが、悩みという杉山さん(23歳・仮名)。
彼の問題点は何の戦略も持たずに女性と接していたことだが、では実際にどのように接したら女性の心の琴線に触れるような存在になれるのか?
「具体的には、どのように女性と接すれば友達関係から恋愛関係に発展していけるのでしょうか?たとえば、自分のことをすごいアピールしちゃうとか?」
自己アピールに努めるあまり、よく女性に自分のことばかり話しちゃう男性っているよね。
でも、それは一番のタブーだと思うよ。
「えっ、そうなんですか?でも、前に自己アピールが大事って言ってたじゃないですか。それに、自分のことをアピールしないと、女性に恋愛対象として認識されないんじゃ……」
もし、杉山さんが逆の立場になったことを考えてみたらわかると思うんだけど、自分のことばかりずっとしゃべっている人ってどう思う?
「ああ、それはナイですね(笑)」
でしょう?相手に好印象を与えるという点において、過剰な自己アピールは何よりも逆効果。恋愛関係に発展する以前に友達関係もおぼつかないよね。
「じゃあ、どんな風に自分のことをアピールしていけばいいんですか?」
もちろん、「意思表示」することは必要だよ。でも、単純なやり方ではダメ。 たとえば意中の女性に、平日の夜の遅い時間に飲みに誘われたとしよう。こんな時、杉山さんならどうする?
「決まってるじゃないですか!夜遅かろうと次の日に仕事があろうと、速攻で彼女と飲みに行っちゃいますよー。ここで断っちゃ、相手に自分の好意が伝わらないじゃないですか。何があろうと、彼女の誘いは断らない。ここが好意の一番の見せどころですからね」
ところが、それが違うんだよ。ここで誘いに乗っちゃうのが、杉山さんが恋愛関係に発展できない原因だと思う。 正しい対処法は、「ゴメン、明日の仕事にひびくから無理。来週の○曜日だったら大丈夫だけど」と断ること。
「えっ、なんか冷たくないですか?ていうか、それじゃ彼女に自分の好意が伝わらないじゃないですか。せっかくのチャンスなのにもったいない。
いやいや、そんなことはまったくなくて、むしろ断った方が彼女の心にインパクトを残すんだよ。 まず、こういう断り方をすれば、仕事を大切にしていることや自己管理もできていることを相手にさりげなくアピールできるじゃない。
「確かに、ただ口で仕事が好きだの何だの言うよりは真実味がありますけどねえ……。でも、ここで断っちゃうのはどうなのかなあ。もう誘ってもらえなくなったりしませんか?」
だから、「来週の○曜日だったら大丈夫だけど」ってフォローもしているでしょ。
だから、相手には自分のことが嫌で断っているんじゃないことは、ちゃんと伝わっている。
「なるほど~、なかなか高度なコミュニケーションスキルですねえ」
というか、こういうことを普通にやれないと、彼女なんてできないかもしれないよ。
それにすぐに誘いに乗っちゃうようじゃ、相手に「寂しい人」とか思われて恋愛感情のテンションも下がるというもの。相手の気を引こうと無理をしたところで、相手に自分の心を見透かされてしまうだけだからね。
「そっかー。でも、そこまで考えて女性と会話するというのは難しいですねえ。僕にできますかね?」
「できますかね?」じゃなくて、やってみようよ。それに何でも彼女の言うことに従うんじゃなくて、たまに反論したり異を唱えたりするというのは、意外性も演出できて得策なんだよ。そして、この意外性こそが恋愛関係に必要なトキメキ感なんだよ。
杉山さんに欠けているのが、相手に「また会いたい」と思わせるようなトキメキ感。何にも考えないで女性と接するのは論外だけど、ただ押すだけでは恋愛の成就は不可能。
恋愛には押したり引いたりという、微妙な駆け引きが必要なんだよ。