自分から女性を誘ったり、告白したりすることが超苦手な中村さん(30歳・仮名)。
それでも、意中の女性と運よく食事やデートができたときは、何とか勇気を振り絞って告白を試みようとするらしいのだが……。
「もちろん、デートの前は『今日こそは何としてでも告白してやるぞ!』と、やる気満々なんですけどね(笑)。ただ、彼女と一緒に過ごすうちに、こりゃ自分には気がないぞ、と彼女の言動から気がつくわけですよ。で結局、告白できないまま終わっちゃうパターンで……」
う~ん、彼女の言動とか気にしすぎだと思うんだけど。
せっかく、思いを寄せている女性と一緒に過ごせるのだから、まずはそれを楽しむことに専念して、そしてお互い盛り上がった勢いで告白すればいいと思うのだが……。
「いやー、緊張しちゃって楽しむどころじゃないんですよねえ。まず、彼女に嫌われないように振る舞うのに気を遣っちゃうし、それと告白するタイミングをずっと窺っているわけですから、そのことばかり頭にあって、正直せっかくのデートなのに心あらずって感じになっちゃうんですよね。ホント、我ながら情けないです」
しかし、彼女の目からすると、デート中の中村さんというのは、かなり挙動不審に見えるに違いない。せっかくデートに応じてくれたのに、これじゃ好感度が下がる一方なのでは?
「だと思いますよ。しかも、こっちが告白しようとして緊張しているのもバレバレでしょうからね。しかも結局、何も告白しないわけですから、気持ち悪いでしょうね。いや、むしろ何も告白されなくてホッとしているか……」
もう、何でもいいから告白すればいいのに。引っ張れば引っ張るほど、事態はどんどん悪化していく一方だ。つい、先日もこんなことがあったそうだ。
「今、思いを寄せている彼女がいるのですが、その彼女とレストランで食事をしたんですよ。当然、この日も告白する気満々だったんですけどね(苦笑)。で、食事中の会話も盛り上がって彼女も楽しそうだったし、今度こそイケそうだと思ったんですよ。なのですが……」
いやいや、なぜそこで「なのですが」ってなっちゃうの!?
盛り上がった勢いで、そのまま「大好きだ」って言っちゃいなさいよ~。
「いやー、そう思ったんですけどね。そのレストランっていうのが、彼女の自宅から徒歩7、8分ぐらいのところで、まあ自宅に送っていきながら告白しようと思ったわけですよ。なのに、彼女は自宅へ向かわずに、何かこう遠回りしようとするんですよね。あー、こりゃダメだと思って……」
えっ、なんでそれがダメなわけ?
「だって、そうじゃないですか。それって、僕に自宅まで来られちゃ困るってことでしょ。別に、こっちは家の中にまで上がり込む気なんて全然ないんですけどね。僕に自宅へ近づかれるのすら嫌なのか、と思っちゃいましたよ~。こんなんじゃ、とてもじゃないけど告白なんて無理だと思うでしょ?」
う~ん、彼女がどういうつもりで遠回りしたのかはわからないけど、彼女の真意なんて本人しかわからないんだから、中村さんがそんなことをアレコレ詮索してもしょうがない。だったら、自宅に来られちゃ困るとかマイナス方向に解釈するのではなくて、自分にいい方に考えるべきだろう。
たとえば、彼女が遠回りしたのはもっと中村さんと一緒にいたかったから、とか。
「うわ~、すごいプラス思考ですねー。なぜ、そんなに自分に都合のいいように考えられるんだろう?羨ましいです」
ていうか、恋愛なんて結局、思い込みですから。中村さんのようにマイナス思考だと、いつまで経っても告白できないだろう。
次回は、そんな中村さんのマイナス思考の原因について探ってみたい。