今回登場してくれたAさんは、
東大卒で大手企業に勤務する46歳、独身。
この歳にして独身なのは、決して彼が異性に好かれないタイプというわけではない。
今風のちょい不良オヤジ的なルックスというわけにはいかないが、
かといって、実年齢以上に爺むさい風貌をしているというわけでもない。
どちらかという地味な印象だが、良くも悪くも平均的な40歳代半ばの男性と言っていいだろう。
彼の経歴を考えれば、これまでに良縁に恵まれていても不思議ではない。
だが、40歳代半ばを過ぎた現在も独身を貫き通している。
もちろん、彼が女性に興味がないというわけではない。
むしろ、本人としても早く身を固めたいというのが偽らざる本音のようだ。
だが、その彼の結婚を阻んでいるのが、彼の独特とも言える女性の好みだ。
「今風の若い派手な女性がタイプなんです。今だったらギャルとかお姉系の女のコが大好きなんですよ。『e●g』とか『小●魔ag●ha』みたいなギャル系の雑誌で、いつもチェックしていますよ。
結婚するんだったら、そういうコとしたいですね」
いい歳をしたオヤジがギャル系の雑誌をチェックしている姿というのも、ある意味異様ではある。
若い女性と付き合いたい願望は男性ならば誰しもあるし、
今風の女性が好きだというのも理解できなくもない。
ただ、多くの中年男性にとって、それはあくまでも願望であり、
ましてやそうした女性と結婚したい、と本気で考えているのは尋常ではないだろう。
「妥協したくないんですよ。結婚でも何でもそうですけど、
理想を高く持ってそれに向かって努力し続ければ、必ず目標を達成できると考えているんですよ。
実際、そうやって私は受験でも就職でも成功を収めてきたわけですから」
ギャルが理想が高いかどうかはともかく、Aさんの努力家で真面目な人柄をうかがわせるが、
40歳代の中年男性とギャルとの出会いの機会がない限り、努力のしようもないと思うのだが……。
「それはそうなんです(ため息)。さすがに勤務先の女子社員にはギャルなんていないし、
それっぽい女性がいる場所といったらキャバクラですからね。
もちろん、そういった場所にも行かないわけじゃないけど、
やっぱり女のコの方は商売でやっているわけだから、
そこから本当の恋愛関係というのは生まれにくいですね」
ギャルと接したければ、週に数回程度のキャバクラ通いで満足しそうなものだが、
彼の場合、ギャルと真剣に付き合いたいわけなので…。
「私の目標はあくまでもギャル系の女性との結婚ですから。しかし、現状ではギャルとの接点がない。
出会いの機会さえあれば、いろんな努力もできそうなもんですが……」
そもそも、接点も出会いもないギャルになぜ惚れてしまうのかが、よくわからない。
普通、恋愛関係というのは、女性と出会ったり接したりする中で醸成されるものだろう。
その意味では、Aさんの恋愛観は少々歪んでいるのではないか、と言わざるを得ない。
これまで、彼はどのような恋愛を経験してきたのだろうか。
次回は、そんな彼の過去の恋愛について検証していきたい。
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