彩乃---気になる男性がいても、たとえ彼氏のためでも
決して自分のペースを乱さないR子(29歳)。
マイペースといえば聞こえはいいけど、実際は唯我独尊というか、ただの
依怙地なだけ。そんな性格が災いしてか、けっこう美人なのにもかかわらず
男性との縁になかなか恵まれないの。
R子---なんか、恋をしたら自分が変わるみたいなこと、言う人いるじゃない?
私的には、ああいうのが嫌なんだよね。もっと自分をしっかり持て、と言いたいね。恋愛ぐらいでコロコロ変わる人いるじゃない?
真央---たとえばどんな風に?
R子---ファッションとか音楽とか、趣味嗜好を彼氏に合わせちゃう、みたいな人。
彼氏が変わるたびに趣味をいちいち変えるのか、と。
彩乃---また、R子はヘリクツこねてるね。
いいじゃん、好きな彼氏に合わせて微笑ましいじゃない?そんな細かいことにこだわってるから、
男性に敬遠されるんだよ。
R子---彼女に自分の趣味や嗜好を、強要する男性なんて、こっちから願い下げだよ。
真央---いやいや、それは別に強要されてるわけじゃなくて、
好きな人に喜ばれたいっていう女心じゃないですかー。
R子---そんなに男性に媚びてどうすんの?
真央---媚びてるわけじゃないと思うんですけど……。
さくら---R子さんとしては、とにかく
恋愛とか彼氏とかによって、自分の何かが変わったりするのが嫌なんですよね?
R子---そうそう、よくわかってるじゃん。
ていうか、さくらも私と同じ匂いがするね~。
彩乃---するする。さくらも変に頭いいから、理屈っぽいし依怙地なところあるよね。
さくら---そんな……。
確かに、私も恋愛みたいなものに安易に流されるのは嫌いだし、
これだけは譲れないという部分はありますけど、R子さんほどじゃ……。
R子---人のことを変わり者みたいに言わないでくれるかしら、失礼な。
真央---いや、十分変わり者だと思うんですけど……。
さくら---まあ、だれしもここだけは変わりたくないとか、
譲れない部分があると思いますけど、R子さんの場合は徹底しているというか、極端すぎるというか……。
彩乃---ホントだよね。なんで、そんなに依怙地なの?
R子---別に依怙地じゃないわよ。ただ、なんか
全てのことに恋愛が優先する、みたいな恋愛至上主義的な考えが嫌なんだよね。
女の人って、そういうの多いじゃん。
さくら---確かに、私もそう思います。
恋愛だけじゃなくて、仕事とか趣味とか自分にとって、大事なことってありますよね。
真央---そうですかー?あたしは「オトコ命」だけどなー。
R子---真央のことはさておき、
人間だれしも「自分だけの世界」っていうのがあるわけじゃん。
私はそれを大事にしたいし、恋愛でそれを壊されたくないんだよね。
彩乃---じゃあ、R子はこれから先、恋愛をしないで自分の世界を、
頑なに守ってひとりで生きていくわけ?
R子---そういうわけじゃないけどさ……。
彩乃---でも、そんな考え方だと、恋愛なんてできないよ。
R子---私の世界を尊重してくれる男性だっているでしょうよ。
さくら---お互いのことを尊重し合うのは、とても大事だと思いますけど、
でも何ひとつ自分は変わりたくないというのはちょっと……。
彩乃---そうだよ。R子は恋愛で自分が変わったり、
生活のペースが乱されるのが嫌だとか言ってるけど、そもそも恋愛というのは、
恋することによって男性も女性も変わっていくことに醍醐味があるんだよ。
好きな人のために頑張ろうとか、好きな人を喜ばせたいとか、好きな人と何かを共有したいとか、
付き合っているうちにそういう気持ちが芽生え始めて、
自分自身の何かが変わっていくものなんだよ。
自分自身をしっかり持つことはもちろん大事だけど、恋愛によって、
変わっていく自分を認められないと、恋愛の成就なんてままならないと思うけどね。