彩乃---そのコミュニケーション能力のなさから、数々の男性との出会いをフイにしてきたK代(26歳)。特に問題なのが、本人にその自覚がまったくないという点。
どんなに美人で性格が良くても、それが相手に伝わらなきゃ意味がないってことに全然気がついてないの。このままでは、いつまで経っても春は来ないと思うんだけどねえ。
K代---いやいや、大げさですって、彩乃さん。普通、そこまで考えて他人と会話なんてしませんて。だって、真央がそんなことしてると思いますか?
真央---あー失礼な! 確かに、わたしも無神経な言動で、彩乃さんやさくらさんによく注意されますけど、恋愛対象となる人に対しては別ですよ。それなりに気を遣ってますって。
K代---本当かなぁ。私は人によって言動とか、対応を変えるのなんて真っ平だけど。
彩乃---K代、もしかして好きな人には「ありのままの私」を見て欲しいから、自分を飾らないように心がけているとか、見当違いなこと考えてんじゃない!?
K代---いけませんか?好きな人の前だからって、そんなに改まる必要ないじゃないですか。どんなに取り繕っても、付き合ったらバレちゃうんだから。
さくら---それは取り繕うとかじゃなくて、自分が相手を好きだということをいかに知らせるか、ということになると思うんだけど。
K代---だから、それがワザとらしいと思うんですって!
彩乃---じゃあ、K代は好きな人がいても、いつも変わらずに振る舞っていたら、自然と、その人が告白してくれるとでも思ってるわけ?
K代---本当に、私のことが好きで私の良さをわかっているんだったら、そうだと思いますよ。
真央---え~っ、それってすごく上から目線じゃないですか。
さくら---それでも、K代さんは自分の好意に気づくよう、男性に要求しているわけですよね。
K代---えっと、そういうことになっちゃうのかな~。
真央---それって、男性にとってハードルが高すぎませんか? そういうところが「上から目線だ」って言ってるんですよ。
彩乃---ハードルが高いというよりも、そんなの無理でしょ。大体、K代の一番良くないところは、好きな相手とちゃんと向き合おうとしないうえに、コミュニケーションを取ろうともしないところだよ。
K代---別に、コミュニケーションを拒否してるわけじゃないですよ。
さくら---でも、相手に自分の好意や思っていることが、伝わってないというのは、コミュニケーションが成立してないのと、一緒ですよね。
K代---そこは、男性の方から察するべきでしょう。
彩乃---好きな男性に、住んでるところ聞かれて「都内」なんて答えてるようじゃ、相手も察するのは不可能だって。
さくら---相手に要求するばかりじゃ、恋愛は成立しませんから。
彩乃---それは本当にそう。恋愛関係やコミュニケーションは、お互いで築き合っていくもの。そこの共同作業がうまくできるかどうかで、男女の相性なんて決まっていくわけだし。
K代の場合、相手に要求するばかりで、共同作業を放棄しちゃってるわけだからね。それじゃ、どんな男性も寄り付かないって話だよー。もう少し、他者とのコミュニケーションについて、真摯に考えるべきだね。