彩乃---人間の成長に必要なのは挫折。恋愛だって同じで失恋を繰り返してこそ、イイ女になれるっていうもの。失恋から学ぶ教訓って大きいよね。 大人の女性であればあるほど、失恋から数多くのことを学んでるんだよね。
真央---もう前置きはいいんで、早く彩乃さんが、失恋から学んだ教訓を教えてくださいよ。
さくら---そうですよ。
彩乃---ちょっと何よ、人がせっかくいい話をしようとしてるのに。
真央---ホントは教訓なんて、何ひとつないんじゃないですか?
彩乃---ホント失礼ね。あたしにだって、ちゃんと教訓ぐらいあるわよ。あたしが過去の失恋から学んだ「最大の教訓」、それは……。
さくら---それは?
彩乃---それはね、「恋愛はひとりじゃできない」っていうこと。
真央---え~っ、当たり前のことじゃないですか。まったく何を言い出すかと思ったら……。
さくら---でも、そういう当たり前の言葉にこそ、何か深い意味とか、真理が隠されているかもしれないわよ。
彩乃---さすがはさくら、今いいこと言ったわよ。
真央---そうですかね~? 恋愛はひとりじゃできない、なんて当たり前じゃないですか。ひとりだったら、ただの片思いなわけだし。
彩乃---真央も今、いいこと言ったわよ。
さくら---私や真央ちゃんがいいことを言ったのかどうかはわかりませんけど、彩乃さんも早く「いいこと」を言ってくださいよ。その教訓のココロは何ですか?
真央---適当に意味ありげなことを言ってるだけで、やっぱりホントは教訓なんて何もないんじゃないですか?
彩乃---ホント、真央って重ねがさね失礼だよね。ちゃんとあるんだって!!
男性と女性がうまくいかなくなる時って、大体において、自分の愛情に相手が応えてくれないっていう不満からじゃない?
さくら---そうですね。「私はこんなにあなたのことが好きなのに、あなたは……」みたいなことですよね。
真央---「わたしはこんなに尽くしてるのに」とか「わたしはこんなに貢いでるのに」みたいな……。
彩乃---真央の場合はちょっと特殊というか極端だけど、まあ、そういうことだよね。自分は相手のために全身全霊を傾けているのに、相手からは自分ほどの、熱意や愛情が感じられないという……。
真央---それは、自分が相手の男性から好かれてないということじゃないですかね。
彩乃---もちろん、そういうこともあるだろうけど、よ~く考えてみると「私はこんなに愛してるのにあなたは……」みたいなことって、相手の都合や立場を考えず、単に自分の愛情を押しつけているだけじゃないか、って思うの。
さくら---確かにそうですよね。愛情の押しつけって、単に自分をアピールしているだけで、決して相手のことを思いやっているわけじゃないですもんね。
彩乃---そうそう、単に愛情を押しつけるだけだったら、片思いと変わらないわけでしょ。
相手あっての恋愛なわけだから、そもそも自分のペースで何事もうまくいかないのが当たり前。でも、恋で舞い上がっていると、そういう当たり前のことがわからなくなって、
自分のことは棚に上げて、相手のことばかり責めてしまい、うまくいかなくなっちゃう。
もう少し相手のことを思いやることができたら、別れることはなかったのに、って反省することが多いよね。