真央---あたしが男性のファッションでいちばん気になるのは、ズボンの丈が妙に短い人。
さくら---それ、私もそれ気になりますね。
彩乃---あ、Y男も短いね。くるぶし見えてる。
Y男---短いって……。オレのはあえて、そうしてるんですよ。単にズボンの丈が合ってないわけじゃないんですよ!
彩乃---イタリア人を気取ったって日本人なんだから、体型的に無理があるんじゃない? ファッションに限らず、無理してるのが見えるのってやっぱカッコ良くないと思うよ。
さくら---わたしは男の人のアクセサリーが気になります。プライベートだったらいいですけど、最近はビジネス中なのにリングとかブレスとか着けている人が多いですよね。仕事に集中していないみたいで、好感度が低いです。
Y男---えっ、なに言ってるんですか。男のアクセサリーは、なかなか個性をだしにくいスーツスタイルには重要なスパイスなんですよ。さりげない小物使いで、他と差をつけるというか……。
彩乃---だから、それで差をつける暇があったら、仕事で差をつけなよ。それにY男の場合、全然さりげなくないよ。腕時計は異様にデカいし、リングだってゴツすぎ。
真央---それと、計算したかのようにシャツのボタンを3つ開けて、はだけた胸元にペンダントトップが輝いているのもちょっとやりすぎな気が…。
Y男---みなさん、オレが一生懸命オシャレしてる部分をことごとく否定するわけっすね~(泣)。
さくら---あっ、でもY男さんのファッションにも好感を持てるところもありますよ。
Y男---えっ、なになに?
さくら---いつも靴がキレイなところ。洋服に気を使っても靴が汚れている人って、けっこういますよね。その点、Y男さんの靴はいつもピカピカですもんね。
Y男---でしょう。なにしろ毎週日曜日は1日中、手持ちのすべての靴を磨いてるからね。とくにベルルッティみたいな高級靴はさ、そうやって大事にケアしないとすぐに痛んじゃうんだよね。
真央---すごく得意げね……。
彩乃---なんで、そこでもっとさり気なくできないかな。靴の手入れに「いかにも手間ひまかけてます」的なアピールが余計だよ。ブランド自慢やウンチクを語ろうとしてるところも。
さくら---そこまで靴の手入れに時間をかけてる暇があったら、本の1冊でも読んで欲しいです。
彩乃---だいたい、自分の彼氏がそうだったら、日曜日にどこにも出かけられないよ。
Y男---おかしいなー。じゃあ、オレがいつもシャツとネクタイの色をコーディネートしてるのは、どう思います?
彩乃---いや、いいと思うよ。ただ、それがY男の人間的な魅力に直結するというわけじゃないんだよ。女性は男性のファッションに過剰なものは求めてないわけ。要は女性にとって重要なポイントは、その人のファッションがヘンじゃないかどうかということ なんだけど、結局ヘンという意味ではダサいのもオシャレに懲りすぎるのも、女性にとっては同じことなんだよね。