彩乃---「脈がないんですかねえ?」と浮かない顔なのが、後輩のK田さん(26歳)。聞けば、好意を寄せている同僚F代のメールの反応が気になるとのこと。
K田---メールしても返事が返ってくるのは3回の1回くらいだし、返事がくるまでにえらい時間がかかりまして……。こっちは彼女に何度もメールしてるのに、ホント素っ気ないんです。これって、自分に気がないという証拠ですよねえ(泣)。
彩乃---すごく気になる男性からのメールだったら、多少は早く返さなきゃって思うけど、それも内容とか自分の置かれている状況にもよるんじゃないかしら。彼氏でもないなら、ぜったい返なきゃっていう義務感はないかもねえ。
真央---メールの返信の早さで、惚れてるとか惚れてないとかわかるんですかねえ。あたしなら、どーんと構えてる男の人のほうがかっこいいと思うけど。
さくら---そうですよね。だいたい、仕事が忙しかったりとか、ほかに用事があったりしたら、返事するのはどうしても遅くなってしまいますよね。付き合っているのならともかく、そういう関係じゃないのならなおさらですよ。
K田---うーん。そういうものなんですかねえ。
さくら---1日にどれくらいメールしてるんですか?
K田---1日に最低でも5通は送ります。10通以上のときもあるかな。
真央---多すぎな気が…。だいたい、そんなに用あるもの?
K田---用なんかなくたって、そういうのは好きだっていうアピールだと思うんだよね。そもそも、女性ってメールが好きでしょ。自分はそんな女性に合わせて、いつでもメールの返信の準備はできてるし、打つスピードもかなり自信あるし、きっちりデコメして、完璧な仕上がりなんだけどなあ。なのに、F代は反応薄いもんなー。こんなんじゃ勝算ゼロだよ。
真央---だ~か~ら~、そんなの関係ないんだって(怒)。
彩乃---確かに、女性は男性よりもメール好きでマメな人も多いけど、女子高生じゃないんだから、20歳代半ばも過ぎて寝食を忘れるほどメールに熱中するなんてことありえないし……。そもそもK田さんはメールしすぎ。
真央---そうだよ。それに、メール打つの早過ぎる男性って、ちょっと引かない?ばりばりのデコメだらけのメールに抵抗ある女性もいるだろうし。
さくら---たしかに、ちょっと遊んでる感じがします。がっついてるイメージというか。
彩乃---そうそう、そんなにがつがつメール送らないほうがいいんじゃない?メールを受け取る側の立場にもならないと。
さくら---ちなみに、どんな内容のメール送るんですか?
K田---今日のランチで食べたカレーがうまかったとか、まあどうでもいい内容なんですけどね。でも、好きなんだから、何でもないことでもちゃんとメールしたいじゃないですか。
真央---カレーがうまかった、なんて言われても返事のしようがないよね…。
さくら---そうですね。自分の思いを伝えようとするばかりじゃなくて、思いを受け取る相手の立場に立って、もっと考えてあげるべきだと思います。もしかしたら、メールもけっこう長文だったりするんじゃないですか?
K田---そりゃ、自分の思いをアピールしてるわけだから長くもなりますよ。
彩乃---そんな長文メール読むのも大変だし、なおさら返事するのに時間かかるよ。3回に1回も返事してくれるなら、むしろ好感もたれてるって考えてもいいくらいだよ。あたしなら返さないかも…。
真央---K田さん的にはどんなメールのやり取りが理想なの?
K田---こう、何て言うかさ、こっちがメールしたらすぐに返事が返ってくるような、打てば響くような感じかなー。
真央---この、すっとこどっこい!!
彩乃---あ、真央ちゃん、落ち着いてね。ひょっとして、メールの長さや回数が、そのまま愛情の強さや深さに比例すると思い込んでる?むしろ、逆効果なんじゃないかな。やっぱり大事なのは、メールの中身だよ。
さくら---K田さんはF代さんの素っ気ない対応を非難するけど、むしろK田さんのメールの方に問題があるのでは?メールに対する認識がかみ合っていないと思うんですよ。K田さんが何らかの感情を共有したいがための手段としてメールを考えているのに対し、彼女は単に情報の伝達手段としてメールを考えているのかも。
K田---確かに、それは言えるかも!
彩乃---まあ、メールでのやり取りを深読みしすぎもどうかと思うけど、好感度をアップするメールもあれば、好感度を著しく下げちゃうメールがあることも事実。たかがメール、されどメール。次回は、そんな恋を成就させるためのメールテクニックを伝授するわね。
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