前回は、お酒に関する知識なんて、そんなに無くていい、楽しく飲めるかどうかが問題というお話をしました。
しかし。
そうは言っても基礎的なことくらい知らないとオーダーすらできない、あるいはそれほど飲まない女性とのデートのためにもある程度のことは知っておきたい、そうおっしゃる諸兄には、この言葉を授けましょう。
そう、今から変な付け焼き刃で知識を増やそうとしても、無駄。アガっちゃって失敗するのがオチです。だったら、必要最低限の知識さえあれば、ピンポイントでいいじゃないですか。基本は楽しく飲むことなんですから。
ということで、ここでお勧めしたいのはビールとワイン。この2つなら大抵の少し雰囲気のいいお店には必ずありますし、自分の好みを「適度に」反映することもできますから、無知っぽさがバレません。
ということで、以下にポイントをまとめてみました。
これだけ知ってれば、なーんの問題もありませんよ。
■ビール
流通している種類も豊富で、ウンチクを語りたがる人も多いビール。
しかし、その最大の魅力はなんと言っても手軽さなのですから、ほんと、オーダーするときにある程度の「目安」さえつけば、試しちゃえばいいんです。
まず、ビールをすごく乱暴に分けちゃうと、暑い地域のビールは軽くて、寒い地域のビールは重い、と覚えておくといいでしょう。
メキシコのビールなどはどれも口当たりのさっぱりとした軽い物が多いし、逆にヨーロッパ系のビールは緯度が高い寒いところが大半ですから、多少コクがあってどっしり重い感じなんです。
もう一歩踏み込みましょうか。
冷たくする機械の無かった昔から伝わる製法で作られた発酵温度が高めのビールは「エール」と言われて、個性的な味のものが多いと言えます。
有名なのは、ギネスですね、あの真っ黒な。ちょいと強いですね、これも。
一方、多くの日本のメーカーが作る口当たりのサッパリした「ドラフト」は、冷やして作って冷やして飲むタイプ。「生ください!」で出てくるのは、これです。
あと、自然発酵というのもあるんですが、これは例外的なので、覚えておかなくてもよいです。ちなみに、ベルギービールに多いです。気になった方は試してみるのも一興。
……ビールに関しては以上です。簡単でしょう?
メニューにたくさんビールの名前が並んでいたら、国名を見て、軽いのが飲みたかったら南の国のを選ぶだけ。適当に指をさして「これはどこのビールですか?」と聞いてもよし。名前に「エール」って付いてたら、ちょっとコクがあると覚悟すればいいし。もう、簡単簡単。
あと、ビールの炭酸が苦手って人は、生ビールよりも瓶ビールをオーダーして、注ぐペースを調整して炭酸を飛ばすと飲みやすいですよ。これは同席してる女性に教えてもグー。なんなら「ビールは最初の一杯だけでいいよね?」と、1本のビールを分け合うのも、親近感が湧くいい手です。
■ワイン
これも突き詰めれば膨大な知識が必要となるお酒です。
だからこそ、生半可な知識は不要なんです。店員さんを捕まえて、好みを言って、適当に選んでもらう、これこそが正解です。
で、その好みの伝え方ですが、基本的に「重いか軽いか」でいいでしょう。あとは、店員さんに説明されたり聞き返されたときに、以下のキーワードを覚えていれば万事問題なしです。
赤ワインの場合
ボディがある:重い、ってことです。
タンニンがしっかりしてる:重い、ってことです。
華やか:軽い、ってことです。
スパイシー:軽いけど口当たりが個性的、ってことです。
白ワインの場合
フルーティー:文字通り、飲みやすいです。
樽香(たるこう)が高い:木の香りがする、しっかりした感じ。
甘い、辛い:白ワインにだけ使います。
「そんなに重くない赤ワインをお願いしたいのですが」と言ったとき、店員さんが「でしたら、これなどはきちんとボディはありますが、華やかな口当たりです。
こちらは、スパイシーながらも、後味にタンニンが効いています」とか答えてきます。そしたらアナタは慌てずにっこり微笑んで「じゃあ、最初の方を」とか言えばいいんです。
次回は、さらに内容を突き詰めていきます。次回も見逃せません!