もし、あなたが女教師だった場合を考えましょう。あなたを好きな生徒から手紙が来ました。そして卒業していきました。万一この生徒とつきあうとしたら、まずつきあっていることは学校中の先生に知れ渡ります。なぜなら、その生徒には後輩もいるだろうし、デートすれば世間は狭いのですぐにばれます。つまり、生徒とのつきあいは世間に知れ渡る可能性がある。という大きなハードルを飛び越えなければ恋に発展しません。このハードルは想像以上に高いです。なぜなら、生徒を恋愛対象として見ていたというレッテルを貼られ、しかも在校中の関係も想像され、淫行をしていたんではないかという疑いもかけられてしまいます。当然彼は出世コースから外れることになり、運が悪ければ首を切られるかもしれません。現在、臨時の先生が非常に多いのはご存知ですか？就職したくても就職できないのです。それがやっとつかんだ学校の先生の立場を危ういものにするのなら、卒業したといえど生徒とのつきあいは、命がけであることが容易にわかります。
　もちろん、彼があなたと最初から結婚を前提につきあい、そしてゴールインということなら問題はありません。つまり、ハードルは結婚レベルということなのです。元生徒であるあなたとのつきあいは、最初から結婚してもいいと思うくらいに、彼のほうがあなたに惚れている必要があるわけです。
　では、そのように冷静な視線で状況判断すると、あなたが送った手紙に返事を書かないという時点で、彼があなたに結婚を申し込むほど惚れているということは完全に否定されます。したがって、この片思いが成就する可能性は極めて低いでしょう。
　あなたもご存知のように、好きな先生が担当する教科は成績が伸びるものです。悪い言い方をすると、若い男性教師は女生徒の成績をアップさせるために、ある程度恋愛感情を利用します。これは彼がプロであるかぎり、避け難い事実です。だからといって生徒と本当の恋愛に発展することはかなり危険なことです。ですから、彼が惚れるような魅力ある生徒としか恋愛は発展しない場合が多いと言えます。あなたが考えているほど、教師と生徒の恋愛は社会的な制約があるため簡単ではありません。逆にいうとあなたたち女子生徒は倫理によってある程度守られているわけです。もちろん、この倫理を捨てて、生徒と二股交際をするような先生もいるかもしれません。ただ、ハードルが高いことは事実です。