今回登場する高山さん(27歳・仮名)の悩みは、女性にモテないこと。「好きな女性に好かれるには?」とか、そういう相談ならわかるけど、 単にモテないとか言われても……。どんな風にモテないとか説明してもらわないと、相談にも乗れないんですけど……。
「いや、とにかくモテないんですよ。女性に告白してもうまくいった試しがないんです」
でも高山さんて、ルックスだって悪くないし、人柄だって悪くなさそうだから好感度高そうだけどね。
「自分じゃ、そんな風には思ったことないですけど、周りの女性には確かにそう言われます。でも、告白しても振られるんですよ~(泣)」
なんでだろう?もしかして、すごい美人とか「高嶺の花」みたいな女性ばっかり好きになってしまうとか?
「さあ、そんなこともないと思いますけど。普通に出会って、親しくなって好きになるというパターンなんで、すごい分不相応な相手だとは思ったことはないですが、うまくいかないということは『高嶺の花』だったということでしょうか?」
話を聞く分には、そんな風には思えないけどね。パッと見、モテない要素はなさそうだし。
「女性にもよくそう言われるんで『俺ってモテるのかも』とか思ったこともありましたけど(苦笑)、でも周りの友達に聞くと、そういうことって割と経験があるみたいで、結局、自分は普通なんだな、と思うようにはなりましたけどね」
いやいや、そんなことないと思うよ。それで、どんな風に断られちゃうの?
「『いい人だと思うけど、友達以上は考えられない』みたいな感じですかね」
「いい人どまり」って奴だね。
「そうなんですよ。『いい人どまり』っていうのが、すごく悔しくて……」
でも、「いい人」みたいな言い方って、角が立たないありがちな断られ方だからね。あんまり「いい人どまり」みたいな部分にこだわらない方がいいと思うよ。とりあえず「いい人だけど」って言っとこう、みたいなとこあるからね。
「でも、女友達にも『いい人どまりだよね』とか、よく言われるんですよ」
なるほど~。それって、恋愛対象としては何かが足りないということなんだろうね。
「たぶん、そうだと思います。でも、モテたいじゃないですか!女性を自分に引き込むコツというか、方法というか、そういうものって何かないんでしょうかね?」
なんか、そういうことを言っている時点でダメなような気がするけど、まあ切実みたいなんで真剣に考えてはあげたい。まず、女性は何をもって高山さんのことを「いい人」だと言っているのか?悪い人よりもいい人の方が好かれるに違いないんだけど、そのいい人の部分がなぜ恋愛につながっていかないのか?そこら辺について考える必要がありそうだね。
見た目も人柄も悪くないのに女性に告白しても、なぜか「いい人どまり」で終わってしまう高山さん(27歳・仮名)。
まあ、「いい人」って言われるぐらいだから決して女性の好感度が低いわけじゃないだろうし、
恋愛対象として見てもらえないというのが実際のところなのだろうけど……。
ただ、この「いい人」っていうのが、恋愛にとっては曲者……。
「好きな女性と普通に世間話とか食事をしたりするのは全然オッケーなんですけど、ちょっと気合の入った感じで食事や遊びに誘うと、何気に断られちゃうんですよね。まあ、普通に接してくれるので嫌われてるわけじゃないと思うんですけど、それ以上の関係に発展させようとすると途端に拒否されちゃう、みたいな……」
友だちとか会社の同僚みたいに知人として普通に付き合うのはいいけど、恋愛対象ではないということだね。
だから、「いい人どまり」。そして、高山さんとしては「脱いい人」を目指してるわけだ。
「そうなんです!でも『脱いい人』とか言って、『悪い人』になって嫌われたりしたらイヤだし……」
そりゃ、ごもっとも。「脱いい人」っていうのは「悪い人」になることじゃないからね。
まず、「いい人」というのは、女性にとってどういう存在なのか考えるべきだね。
「それって、言葉の通り単なる「いい人」ということなんじゃないですか?」
それはそうだけど、もう少し深く分析しないと、過去の自分の敗因が見えてこないよ。
「はあ……」
たとえば、高山さんが他人を「いい人」って形容する時に、心底そう思って「いい人」って言ってる?
「まあ、自分が何か助けてもらったりした時は別として、普通に形容する時は何となく当たり障りのない感じで言っちゃいますよね」
たぶん、女性が高山さんのことを「いい人」って言う時も、そういう感じじゃないかな。
だから「いい人」の「いい」というのはそんなにポジティブな意味はない。
むしろ、「どうでもいい」の「いい」に近いのかもしれない。
「えーっ、それって事態はより深刻じゃないですか。僕は『いい人』じゃなくて『どうでもいい人』だったわけですね(泣)」
まあ、平たく言えばそういうことになるかも。「都合のいい人」という言い方もできるし。
「まだ『都合のいい人』の方が、『どうでもいい人』よりもマシかも……。いやいや、そんなのどっちにしても恋愛対象じゃないからダメじゃないですかー!」
もっとオブラートに包んだ言い方をすれば、
「優しくて悪い人ではないんだけど、恋人にするには何か物足りない人」ということかな。
「そんな言い方をされても、全然嬉しくないです」
そりゃ、そうだ。
人柄も見た目も悪くない高山さんは女性から見たら、可もなく不可もなくという存在なんだろうね。
特徴がないというか、キャラが立ってないというか、女性の心の琴線に触れるところがないんだと思う。
女性のハートをつかむには、何かそういうものをアピールしていかなきゃいけない。
人柄もルックスも決して悪くないのに、 いつも「いい人どまり」で終わってしまい、恋愛に縁の薄い高山さん(27歳・仮名)。 しかし前回、「いい人」とは女性にとって「どうでもいい人」であることが判明。 さらに落ち込む高山さんだが、これといって欠点がないのだから、 うまくいかないのは女性へのアプローチに問題があったのでは……。
「取り立てて欠点がないというのは、言い換えれば特徴がないということですよねえ。確かに、女性の心に何か引っかかるようなキャラとかじゃないと、恋愛対象には見られませんもんね。かといって、今さらどんなキャラ立てしていいかもわからないし……。難しいですねえ」
まあ、特徴がないというのは「いい人どまり」で終わる人の共通点だよね。 可もなく 不可もなく、という……。 女性の中で「いい人」は印象が薄い。 女性に嫌われることはないけど、特に好かれるということもない。
「だから、女性を惹きつける特徴が必要ってことでしょ?」
そりゃ、確かにそうなんだけど、 特徴といっても、じゃあ周りの男性が高山さんより、すごく個性的かと言えばそんなこともない。
「僕に特徴がないのは認めますけど、彼女のいる男性たちが僕より個性的だということはないですよね。あれ?じゃあ、なんで僕だけ『いい人どまり』なんだろ?」
だから、特徴なんて結局、自分の見せ方とか、女性へのアプローチの仕方の問題に過ぎないってこと。 キャラを立たせようと、高山さんが自分が持っていない要素を加えようとしても失敗するだけ。
「そりゃ、そうですよねえ。無口な人間が、いきなり陽気なキャラを演じても痛いだけですもんね」
そうそう。それに自分じゃないキャラを演じ続けても、そんなの長続きしない。
無口な人間なら無口な人間なりの、自分を良く見せるやり方やアプローチがあるはずだから。
「そりゃ、わかるんですけど……。じゃあ、僕はどうすればいいんですか?」
女性の心の琴線に触れるためには「意外性」が必要。「普段は○○だけど、●●だから」という……。 そういう意外性に女性はときめいたりするもの。
「なるほど~。普段はおちゃらけてるけど仕事の時は真剣、みたいな?」
そうだね。そういう意外性をまず演出することが必要だと思う。 そうしないと、女性にとって恋愛対象どころか気になる存在にもならない。 そのうえ、高山さんは アプローチの仕方にも問題があるのでは?
「そうですか?まず好意があることをそれとなく示して、相手が満更でもなさそうだったら告白する、というパターンですけどね。割に普通だと思うけどなー」
でも、それで今までうまくいかなかったわけだ?
「ま、確かに」
高山さんの場合、告白までのプロセスに1つ作業が欠けている気がする。
そりゃ、高山さんは基本的に好感度が高いから、好意を寄せられて嫌がる女性って少ないと思うけど、 だからといって女性が高山さんと必ずしも付き合いたいって思っているわけじゃない。 それは「友だち」のレベルでしかない。
「だから、告白しても『いい人どまり』で終わっちゃうわけですね」
そういうこと。好意があるのを示すのはいいけど、同時に恋愛対象として女性に認識してもらうことも必要。 それが前にも言った「意外性」の演出。 今までの高山さんは 「恋愛の土俵」にも上がっていないのに告白をしていただけ。 それじゃ、うまくいかない。 これからは「意外性」を心がけて女性と接していけば、 脱「いい人」も実現するんじゃないかな。