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彼女の全てを知りたがる男性

好きな彼女のことなら、何でも知りたいと思うのが人情。 しかし、物事には限度というものがある。 誰にだって人に知られたくない秘密の1つや2つはあるもの。そんな秘密を強引に探ろうとすると、当たり前だけど彼女との関係も微妙なものに。今回登場する飯田さん(31歳・仮名)は、そんな知りたがり癖でいつも失敗ばかりなんだとか。

「好きなんだから、何でも知りたいと思うのが当然だと思うんですけど……。恋人同士なのに隠し事はないでしょう?」

いやいや、恋人同士だって秘密にしたいこともあるんじゃないかな。「知らない方が良かった」なんてこともあるし……。飯田さんだって、彼女に隠しておきたいことがあるでしょう?

「僕ですか?そんなのまったくないですよ。自分のことをわかってもらうために、むしろすべてを知って欲しいぐらいです」

ちなみに、どんなことを知りたがるの?

「たとえばですけど、前に付き合ってた彼氏のこととか、付き合った人数とか……」

えっ、それって一番聞いちゃいけないことじゃない?ていうか、普通に聞いてもそんなこと教えてくれないでしょう。

「そうそう。でも、なんで隠すのか、僕にはわからないんですよ」

そういうこと、あまり言いたくないと思うよ。だって、そんなこと聞かされても嫌じゃない?ていうか、どうしてそんなこと聞きたがるの?

「まあ、一番の理由は単なる好奇心ですけどね。でも、過去の彼氏のこととはいえ、自分以外の男とのことで、知らないことがあるのって嫌じゃないですか。 僕、けっこう嫉妬深いタチなんで」

でも、前の彼氏とのことだと、いろいろ聞かされても何もできないわけだから、逆に嫉妬に狂っちゃうんじゃない?

「まあ、それはそうなんですけど、知らないよりはマシかな、と」

ひょっとして飯田さんって、元カノのこととかも平気で今の彼女に話しちゃったりする?

「もちろんですよ。だって昔のことだし、隠すようなことは何もないですよ。そういう昔のことがあって、今の僕があるわけですから。僕という人間をよく知ってもらうためにも、そういうことは隠さない方がいいと思っているんですよ」

そうなんだ……。とはいえ、やっぱり知りたくないことってあるからなぁ……。そういうこと、あんまり彼女に言わない方がいいんじゃないかな?

「そうですか?まあ、確かに嫌がりますけどね。でも、何かのキッカケで、自分の過去が明らかになっちゃうのって、逆に良くないような気もしますけど」

たしかに、「衝撃の過去」みたいなことを、あとで知っちゃうのはショックが大きいかもね。でも、そんなことはそうそうないし、やっぱり人間、誰しも触れて欲しくない部分ってあるから、そこは知りたいのをグッと堪えた方がいいと思うよ。 恋人同士、隠し事がないっていうのは素晴らしいことだと思うし、理想だとは思うんだけど、なかなかそうはいかないのが現実だからね……。

彼女の過去を知りたがるのは信頼感と愛情の欠如?

知りたいようで知りたくないのが彼女の男性遍歴。確かに、大好きな彼女がどんな男性と過去に付き合ってきたか興味があるところだけど、 逆に知ってしまったが故に彼女を見る目や2人の関係が変わったりしないものなのか。 それに、どうにもならないことで嫉妬するのも嫌だし……。 だけど、飯田さん(31歳・仮名)は、それでもやっぱり彼女の全てを知りたいという。

「彼女が、過去にどんな男とどんな風に付き合ってきたのかって興味ありません?男だったら、誰でも気になると思うんだけど」

それは気にはなるよ。でも、気になるからといって何でも聞き出そうとするのはどうなんだろう? 知りたくない過去っていうのもあるし……。

「知りたくない過去だからといって、現実から目を背けるのは間違いだと思いますよ。彼女を愛しているんだったら、どんな事実でも受け入れるべきなんじゃないかと……。都合のいい部分だけ見て、女性と付き合うのはおかしいですよ」

そりゃ、そうなんだけど……。たとえば、飯田さんは彼女の元カレのことを聞かされて、 嫉妬したり彼女を見る目が変わったりした、なんてことはないの?

「まあ、僕も人間なんで嫉妬しちゃうような時もあるけど、そこはグッと堪えて何も感じてない振りをしますよ。 聞くだけ聞いといて嫉妬したりするのは、ルール違反ですからね。そこは大人の男として毅然と振る舞っていますよ」

嫉妬することが我慢できるんなら、その「知りたがり癖」を我慢した方が2人の関係がより円満に運ぶと思うんだけど。

「そこは我慢できないんですよねえ(ため息)。気になっちゃうといろんな想像しちゃって、いてもたってもいられなくなるんですよね。どうにもならないことなんだから、自分で気にしてもしょうがないとは思うんですけどね」

まあ良い方に解釈すれば、それだけ彼女のことを愛してるんだろうね。でも、彼女にしてみれば過去を詮索されて責められているようで、気分良くないかもしれないよ。

「でも、2人の間に隠し事があるというのは、やっぱり良くないと思うんです。ましてや男性関係だったら、なおさらかと」

「男性関係」って、そんな……。昔のことでしょう。そんな終わったことを気にしてるような男性は嫌われるよ。今は飯田さんと付き合ってるわけなんだから、過去なんて振り返らずに今現在、そしてこれからのことだけを考えてればいいんじゃないかな?

「でも、過去があるから今があるわけで、彼女の僕への接し方みたいなものだって、過去に付き合ってきた男性の影響があるわけじゃないですか。そこはやっぱり気になりますよね。なんか過去の男たちは知っているのに、僕が知らない彼女の側面があったりしたら、すごく嫌だしショックですよ」

う~ん、気持ちはわからないわけじゃないけど、どうにもならないことを気にしすぎるのは不毛だからね……。 それに、彼女の過去を知っても嫉妬しないとか格好いいこと言ってたけど、結局、彼女の過去が気になって知りたがるというのは、彼女の過去を飯田さん自身が受け入れられないからじゃないかな。

「う~ん、そうなのかなー。僕は彼女の全てを知って、それを受け入れたいだけなんですよ」

でも逆に、それって彼女の全てを受け入れられないということだし、彼女からすれば信頼されてないと感じたり、自分は飯田さんに愛されていないって思ってしまうんじゃないかな。全てを受け入れられるというのなら、彼女の秘密ごと受け入れればいいと思う。飯田さんの恋愛がうまくいかないのは、そういう知りたがり癖によって2人の信頼関係が揺らいでしまうから。 人間、誰しも秘密にしておきたいことはあるわけだから、 そっとしておくのが大人というもの。

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